外国人職員とのコミュニケーションで気を付けたいこと

外国人の介護職員を受入れると日本語にまだ慣れていない外国人と
スムーズなコミュニケーションのために気を付けたいコツをお伝えします。

1.わからないことがあったら聞く人を具体的に伝えておく。

介護の現場には多くの人が働いていますので、
誰に聞けばよいか混乱してしまうことがあります。
具体的にこのことはこの人に聞くと伝えることで
仕事をやりやすくなる面があります。

2.「わかりました」に注意

物事を伝えて最後に確認の意味で「わかりましたか?」と尋ねると
「わかりました」と答えることがありますが、
実はわかっていない場合があります。
説明した手順を言葉で繰り返して説明してもらう、「こういう場合はどうすればいいと思う?」と
質問して理解できているか確認する、実際にやってもらう等で、
反射的に「わかりましたか?」→「わかりました」と答えてしまうことを防げます。

また、「できますか?」と尋ねて「できます」と言ったのにやらせるとできないといった場合、
『やってみます』という意味で「できます」と言っていることもあります。
内容をきちんと理解しているかまで確認するようにしてください。

3.敬語に注意

仕事の現場では日常的に使われる敬語ですが、
日本語に不慣れな外国人は聞き取れません。
簡単な日本語を使ってみてください。
また、はっきり、ゆっくり、くりかえし標準語て話すことでしっかり伝わります。

介護の手順などは写真などを使って説明した
介護現場では安全面で必ず押さえなければならない手順も多いです。
説明する際に写真等を添えたマニュアルを使うことで
スムーズに伝えることができたという例もあります。

4.日本語を使う機会を増やす。

日本語の上達にはやはり日本語を使う機会を増やすことが一番です。
職員の方や入居者の方、地域の方などと日本語を使う機会が増えるほどうまくなります。
積極的に日本語を聞く、話す、書く、読む機会を作ってください。

研修の際にインドネシアのことを紹介するプレゼンテーションを職員の前で行い、
双方の理解を深めた事業者もありました。
発表のための日本語の資料も技能実習生が作ったそうです。
こういったことでも日本語の上達につながります。

5.日常会話の日本語 VS 介護の日本語

介護現場では介護で使われる難しい日本語がある一方で、
技能実習1号の技能実習生は1号の実習期間中に日本語試験N3の合格を目指します。
N3とは「日常的な場面で使われる日本語をある程度 理解することができる」とされています。
日本語能力N3の試験は日常使われる表現で、介護に関する問題は出ません。
日本語能力N3を取得していない技能実習生はまずは日常生活に使われる日本語の勉強を優先してください。

技能実習1号の期間に受験する技能実習評価試験初級の介護の試験は技能実習指導員と一緒に
過去問にしっかり取り組むことで合格を目指せます。

6.地域で行われている日本語学習講座の利用

地域の公民館などで外国人が無料で学べる日本語学習教室がある場合もあるので、
見つかったら紹介してみてください。
身近な方で、日本語講師の資格を持つMさんは休日にボランティアで
留学や技能実習で滞在している外国人に日本語を教えています。
地域の人と交流できる運動や趣味のサークルなどもおすすめです。

まとめ

介護の技能実習生は他の技能実習にはない日本語能力N4の試験に合格しています。
その意味でも日本語が全く伝わらないということはありませんので、
接し方や伝え方のコツでコミュニケーションも円滑になります。
ぜひ、実践してみてください。
(N4:基本的な日本語を理解することができる)